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【コメント集】 私とtrippen

Kyoko Kinoshitaさん

木下京子さん

──trippenってどんな靴?

一目惚れして即決で購入した、色も形も大好きな靴があります。なので、それを履いて街を歩きたいと思うのですが、なかなか馴染んでくれない靴があります。その一方で、セールでなんとなく買った靴が、実は私の足によく馴染んで、どこに行くにも気軽に履ける気の置けない存在になったり…と、自分自身ではなかなかコントロールできない、愛すべき靴たちです。

──trippenとのおもいで

アメリカのとあるホームパーティで、旧友のDと久しぶりに顔を合わせました。私は黒のPumps fを履いていたのですが、偶然にもDは赤のPumps fを履いていて、お互いにびっくりしました。アメリカにはtrippenの直営店がなく、彼女は通販で赤のPumps fを買ったそうです。ところがその時の立食パーティーで何かのはずみでドレッシングを靴にこぼして、鮮やかな赤に大きな油染みができてしまい、Dは最後までずっと落ち込んでいました。Dとは久しぶりの再会だったのに、なんだか寂しいお別れになってしまいました。
ある日、私はお気に入りのItten f を履いてネイルサロンに行きました。紫色がかった明るいメタリック・ブラウンで、ちょっと個性的な色だったので、セールで購入しました。とても履きやすくて夏に一番履くサンダルとなりました。ところが、ネイリストさんが何かの拍子でよろめいて、除光液がItten f にドバっとかかってしまい、とても目立つ染みになってしまいました。染みのあるItten f を見るたびにDのことを思い出し、私もまた悲しくなりました。そこでtrippen原宿店の湯谷さんにご相談したところ、「染めてみましょうか?」と言ってくださったので、色などの仕上がりなども全てお任せし、染めていただきました。すると、マットで深みのあるダークブラウンのItten f に生まれ変わったのです。感動しました。でも、あの個性的なメタリック・ブラウンのサンダルは再販もされないだろうな…とも思い、ちょっぴり残念に思っていました。
それからまたしばらくして、仕事で二子玉川にいくことがあったのですが、時間があったのでぶらぶらしていたら、trippen二子玉川店に出くわし、林さんがいらっしゃいました。そして店頭にはセール品としてメタリック・ブラウンのItten f が飾られているではありませんか!しかも私のサイズでした。数年前の商品でしたが、たまたまこの時にお店の棚に飾ったとのことでした。この運命的な出会いに、もちろん即決で購入しました。今はメタリック・ブラウンとマットなダークブラウン2色のItten f を大切に履いています。

木下京子さん

──これからどんなtrippenを履きたいですか?

フォーマルな場でも履けるデザインの靴。

木下京子さん

Kyoko Kinoshita

アメリカ東海岸にある美術館に勤務する日本美術の学芸員。


写真は最初に購入したtrippenの靴です。広い館内を歩くのもへっちゃらです。