Theme : IN THE FLOW

ラヴォアジエの質量保存の法則にはこうある。
「何も創造されず、何も破壊されない。すべては変容する。」
この不朽の真理は地球とその生態系のみならず、人類が考え、創造したすべてのものに当てはまる。

水はこの変容の原理を他のどの元素よりも鮮やかに体現する。
水は蒸気、液体、氷といったさまざまな状態の間をシームレスに変化する。
水は地球上で岩石に次いで2番目に豊富な物質であり、私たちの周りを流れ、私たちの中で生命を維持している。
水は人体の60％を占めており、これは普遍的な定数である。
物理学から哲学に至るまで、水は生命そのものを映し、変化と継続、適応性、回復力のメタファーとなっている。
万物の果てしないつながりを象徴し、存在が永遠のサイクルの一部であることを思い出させてくれる。

ブルース・リーは次のような伝説的な言葉で水の流動性を表現した。
「型を捨て、形をなくせ、水のように。水はカップに注げばカップの形になり、ボトルに注げばボトルの形に、ポットに注げばポットの形になる。水は流れることもできれば、打ち砕くこともできる。水になれ、友よ。」
この変容のイメージが、trippenのAW25/26コレクション「IN THE FLOW」にインスピレーションを与えている。
柔軟性は季節を通して私たちの羅針盤であり、人生の変化に適応するための紹介状である。
ファッションもまた時を流れ更新されゆくが、その物質的、文化的な影響は残る。
急速な発展のなかでも、透明性は私たちの揺るぎない価値であり続ける。
私たちは自らを更新し、環境と調和を図りながら、限りなく道を切り開いて行く。
水のように揺るぎなく、変幻自在に。